アイデアを出すための6つの基本事項

私の研究室の学生には、まずは、以下の6つの事を伝えています。

(1)アイデアを考える時間:例えば、 仲間と飲んで雑談している時間(20歳未満の人はお茶)、 公園をあるいている間(歩道・横断歩道を歩いているときは歩くことに集中せよ)、トイレ、電車の中、朝起きて布団にいる間、風呂に入っているとき等々、意外とあります。(注1)従来の科学技術の未解決点やその原因等を考えている間にアイデアが出ることもありますが、後になってふと出てくることが多いです。だから、私はアイデアがでるまで考え続けることはしてきませんでした。考えたいときだけ考えて、考えている途中の事項を短いメモに書いてから一度忘れて、また、時間のあるときにメモをみて考える。なお、いくつか考えたことが、後でふとつながってアイデアになったものも多々あります。

(注1:公園内の道を歩きながら考えることに集中しすぎると、遊んでいる子供にぶつかってけがをさせるかもしれないので注意が必要です。)

(2)テーマ・狙い目をみつけることも重要:私で言えば、学生時代に受けた講義・基礎実験・先輩との雑談中に、ライフワークとなる課題も見つかりました。例えば、ある先生の講義では「生命と機械の本質的な差異について考え、レポートを提出せよ。」という課題が出たので、何時間もかけて考えたのですがだめでした。例えば、A,T,G,Cという4つの文字の並びで構成されるDNAを持つものが生命だと考えてみましたが、コンピュータも、設計図等の情報を1,0の並びで記憶装置(ハードディスク)の中に持っている。本を調べても出てこなかった。なので、数日後に得た結論は、「数十億年前の生命誕生時のことを確認できないので答はだせない。」でした。(注2)

なお、DNAはA,T,G,Cの4つの文字で構成され、コンピュータは1,0のみの2つであるので、その差異が気になり、その後、ときどき、その差異の意味を考えてきました。その結果、ある時、DNAとRNAは別々に考えるべきではない、と考えた。どちらも情報をつかさどる分子群だからです。そしてDNAやRNAは、実際、似た構造のA,T,G,C,Uという5種類の塩基で構成されているから、ひとつのグループで考えてよいということに気が付きました。そして、何故、この5つを主に使っているのか、を考えていくうちに、大きなプリン(A,G)と小さなピリミジン(T,C,U)の2須類に大別できることにきがついたのです。コンピュータが1,0の2種類の文字だけを使っていることを意識したことによって、生命も、基本的には、プリンとピリミジンという2種類を使っていることに気が付いたのです。そして、大きなプリンと小さなピリミジンのサイズ比は黄金比や白銀比に近い3:2程度で、しかも、小さいピリミジンは3種類、大きなプリンは2種類で、これも、3:2にであることにはっと気が付いたのです。そして、その理由は、質量保存則と運動量保存則で説明できることにも思い至ったのです。眼から鱗が落ちる、思いでしたが、同時に、学生時代に、熱流体力学の保存則の導出までやっていてよかった、とも思いました。これが、Cyto-fluid dynamic theoryです。(エネルギー保存則も利用し、5つの塩基の内のAがエネルギーの運搬役であることも考え、更なる解明も提示しています。)

更に、原始的な微生物を観察しながら、この理論の有効性を確認し、生命誕生の条件である可能性を得ました。なので、「この2:3付近の比の有無が、生命と非生命を分ける境界かもしれない」というのが、現時点での私の解釈のひとつです。ただし、2:3付近の比は、70%の水があって初めて生まれることや、1:1の比も共存していること、そしてなぜ、約2:3と1:1が共存するのか、ということの力学的な説明、等も含めて意識する必要があります。(生命のエンジン、や、日経サイエンス等に記載)

更にこれは、生命の設計図に関する新たな説明(Onto-biology)に発展しています。「生命のDNA,RNAが大別すると2種類の分子(プリンとピリミジン)から成り立っている」理由の解明が、「心臓・肝臓などが左右非対称であるのに、腎臓・眼・鼻・耳・手足などが左右対称である」理由の解明をももたらしたのです。

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また、当学科の3年生のエンジンの基礎実験で、熱効率が最大で30%程度しかないことがわかり、60%以上にできないのか、ということを、その後、折に触れて考えてきたのです。 高田馬場で飲みんでいるとき、断熱材に関心を持っていたサークルの先輩の一人が、当時の国家プロジェクトであったムーンライト計画について話してくれたことも、断熱エンジンを考えるきっかけになり、大幅断熱+低騒音型高圧縮比のエンジン(Fugine)の提示につながりました。 だから早稲田は楽しい。高田馬場・早稲田・新宿一帯は、若者でにぎわう「学びと遊びの場」なのです。話す・聞くの繰り返しによって脳内にある知識がつながりやすくなることも重要です。相手の話が自分の脳内の知識とつながることによって、次に自分が話すことが生まれる。これが、知識がつながって知恵(アイデア)になるための第一歩です。

なお、企業で、高圧縮比化も含めたエンジンの仕事に関わり、その後、山形大学に移って、熱流体力学に関する講義の準備のために教科書を復習していた時、高圧縮にすれば排熱が減って熱効率はあがる、という基本の大原則を、強く再認識しました。なので、「断熱だけではだめで、それと同時に低騒音で高圧縮しよう」という意識でアイデアを考えたのです。土日にはときどき、温泉につかりながら。

流体の基礎実験でもライフワークになりうる課題をもらいました。管内の乱流遷移現象です。この現象は明らかに観測事実として存在しているけれども、「従来の流体力学理論や数値解析では起こらない」となってしまい、100年を超える間の謎だったのです。そこで、長年、頭の片隅において検討してきましたが、10年ほど前にこの難問も基本的には解決できました。 (Stochastic determinismの提示: 直下に記載した式が土台。Researchで詳細説明。)

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なので、テーマや目標は、時計の長針のように急いで動いて短期間に完結すべきもの(長針型テーマ)と、時計の短針のようにゆっくり進めて生涯をかけるテーマ(短針型テーマ)の2つを持つのがよいと考えています。

(注2:私は、このレポートに「・・・・なので答えは書けない。」と書いたと思います。これを書いて提出するときは勇気が必要でした。それで「高い評価での単位」はもらえましたが、他のほとんどのレポートで、このような答えを書けば、単位が取れないことになります。)

(3)自然の中に身を置き、頭をリフレッシュする時間も必要(以下の「趣味の絵画」と「趣味としてのカメラ」の写真集を参照。)「よく学び、よく遊べ」です。研究室に配属されて卒論が始まると、4年生は各自、一人に一つ用意された机とパソコンに向かいます。最初は、どこから研究に手を付けたらよいかわからない学生もいて、パソコンでゲームを始める。私が横を通った時にゲームをやめる人には「やめてはならない。 横に誰がいるかを気にしてはいけない。 遊びでも研究でも、何かをやりだしたら集中しなさい。」と言ってきました。(注3⁻1)もちろん、研究を熱心に始める学生も多々いるので、いつまでもゲームをやっているわけにはいかなくなりますが。

自然に抱かれ、自然に触れ、自然を体感し、自然を知ることが、カンを養うことにもなったと感じています。例えば、美しい自然の風景をみているとき、無意識に風の流れ方もみている。(注3-2)そのおぼろげな記憶をもとにして、自分の脳が、新たに提案したエンジンや生命の中の流れを予測して見せてくれる、という感じです。目をつむっていても。

(注3⁻1:私の研究室以外の組織で、その指導者・上司等が「ゲームはしないように」と言った時、「N先生がHPに、研究室でゲームに集中してもよい、と書いている」というように、自分に都合の良い部分だけを切り出して使って言ってはいけません。研究室配属直後の一日くらいはゲームだけに熱中しても良い、といっているだけです。注3-2:風の流れを意識して見ようとして風景を見ないのでは、本末転倒です。自然の中に溶け込むことが第一です。)

(4)ときどき、問題点・課題などを文書に整理することも必要:このことの重要性を強く感じたのは、「生命のエンジン」という本を書いた後です。「この本を書いたら、もうその後はアイデアはでないのではないか? 次の本をかくことはないだろう」と思いながら、人生の集大成のつもりで書いたのですが、その後、新たな万能用途のエンジンや病気の予知理論等のアイデアが多数出てきたからです。それまでに行ったことを整理して書きだすと、頭の中にあったことをわすれることができ、頭の中に、次のことを考える「ゆとり空間」ができるからだと思います。なので、論文を書くときは、「有名な論文集に投稿して業績をつくるため、というよりも、次の課題に進むため」と考えるのもよいかもしれません。そう思うのは、ガロアの群論の論文はRejectされ、ガロアが亡くなった後に見いだされ、社会に大きな貢献をしたということを知ったからでもあります。大切なことは、「外見ではなく中身」です。考えてみると、学生時代(4年生時)の卒論研究では、レポート用紙を使って、毎月、自分がやった内容をまとめて整理してきました。研究は楽しく、毎月、「自分だけが読む著書」を書くことも楽しかったからです。(注4)なので、「先生や上司への報告書をかかなければならない」と思わず、「ときどき、自分だけの著書という思いで、楽しく、研究日記を書ければ」と思います。

(注4:この話を学生達にしたところ、「誰も読んでくれない本を書いても意味がない」という返事をした学生がいました。それに対する私の答えは「多くの人が読んでくれる本を書いて、間違いばかりだったら大変なことになる。例えば、教科書で大きな間違いがあると、それで世の中の様々な装置が設計されて機能しなかったら、と考えるとゾッとする。だから、まず、若い頃は、自分だけのための本のほうがよい。」です。)

なお、私の論文の書き方や学会発表のpptのつくりかたの基本的ノウハウは、このあとの「卒論・修論・学術論文執筆の基本的重要事項」に記載しておきます。これは、就職活動の前の基本的準備にもなりえます。

(5)常識:早稲田で私が学生時代だったとき、「高く飛びたければ深く学べ」という言葉を先輩から聞いたことがあります。基礎力をしっかりした上で、常識だと思われて来たことを考えなおしてみると、ときどき、常識と言われていたことが間違いであることに気が付くことがありました。ここが、独創的アイデアの出発点になることもあります。例えば、かなりの範囲の流体において有用性が確認されているNavier-Stokes方程式は決定論的微分方程式ですが、確率論的な形に修正した方が様々な現象(乱流遷移現象など)を説明できることが10年以上前にわかりました。確率論的というのはわかりやすく言うと、例えば「近似的に乱数のような不確定な要素を入れる」ということです。(注5)これは更に、統計力学的な不確定性と量子力学的な不確定性との関係についても、一歩踏み込んだ解釈(Gourdron theory)を与えつつあり、しかも、放射線を出さない原子核反応エンジン(Fusine:Fusion engine)の研究にもつながり始めています。

また、生命の基幹反応メカニズムを考えているときにもありました。生物の教科書には、情報分子と機能分子の2つのグループがあることが記載されていますが、論理的・物理学的に考えると、4つのグループがあることに気が付きました。ここから、大病予知理論(Prognostic medicine)や発生学的経済論(Morphogenic economics)を提示しています。 昨今、新たなウイルスが現れた際、対処療法では迅速な対応ができず、生命の根幹メカニズムの解明が重要だという認識が広がってきています。なので、これらの理論はまず、生命系の基本的な反応機構を明らかにしているという点で重要です。また、事前予知で、早めに投薬などをすることにより大病を回避したり、過去の数十年の病歴データから将来の病気の予知ができる可能性もあります。しかも、新たなナノサイズのウイルスの出現がミクロな細胞とマクロな経済社会とも連動し、多大な影響を与えていることからも、この理論の重要性を感じています。(直下の式は、生命内の全ての分子を6つのグループに分け、それらの濃度、個数の時間変化を記述したものです。i=1-3, j=1,2で6つ. この式を更に発展させた式を解くと、その下の図のように、カオス的振動から急激な変化をする結果が得られ、更にこれらの結果を分析していったら、病気の予知や不況等の予知を含め、いろいろな方策の可能性がみえてきたのです。)

基礎は大事だが、基軸となる仮定や概念は、”ときおり”、疑ってじっくり考えてみると、大きな飛躍(Quantum Leap)を呼びこむことがあります。なお、念のため、補足します。仕事や研究には、あるていどの軽重をつけて、その時に応じて優先順位を決めることも必要だと考えています。上記に記した成果は、一度に出たわけでありません。数年かそれ以上の長い期間にひとつづつです。

「目から鱗が落ちる」という言葉があります。私は、この30年以上の間に、何度もこのことに出会いました。

・従来の2種類の有名な数値解析方法(高速流動解析用のBeam-Warming法と低速流動解析用のMAC-SIMPLE法)はいずれも、利用可能な流速条件範囲が狭いという問題点がありましたが、ふと、大学院で学んだ編微分方程式論を使って整理するとその2種類の方法を統合できることに気が付き、広範囲の流速条件で高精度な解析ができるようになったとき、

・熱力学・流体力学・材料力学(不確定性のない力学)の基礎を学んでそれらの要点を整理した後、Laundauが書いた流体力学のバイブルの最初の数ページ(不確定性についての記述)を読み、わずかだけ不確定性を考慮するとどうなるのか、ということをふと思いつき、それによって、100年以上に渡って誰も解けなかった管内乱流遷移現象を解けることを見出したとき、

・素粒子論の多くを斜め読みすると「素粒子は固いもののように錯覚してきた」が、燃料の液粒や生命細胞だけでなく、水和した生命分子や素粒子もみな、柔らかく変形して分裂するだろうことにふと気がついてから、大学で学んだ流体力学と数学的な安定性理論を拡張して、それらの統一的な分裂理論を導出したとき、

・従来の生物学・医学の教科書では、生命を構成している分子群を2つ(情報分子と機能分子)に大別しているが、4つに大別すれば生命の基本反応過程を記述できることにふと気が付いたとき、

・初等熱力学の教科書を見直していたら、「圧縮すれば」排熱が減って熱効率があがることを再認識したので、新たな方法で「圧縮する」ことを思いつき、その圧縮原理が大幅断熱や低騒音をももたらす可能性に気が付いたとき、

等々です。これらは、基礎を学びながら、それらの要点を文書にして整理した後、しばらくしてから、いくつかのデータを見ながら、「未解決のテーマ」と「常識と思われていた事」を自分で納得いくまで机上で分析しなおしているうちに見つかったものです。

なので、講義や本の内容の多くを丸暗記して定期試験等で高得点を取った後、その多くを忘れてしまうのではなく、試験後に少し時間をとって、印象に残った講義や本の中の骨格を再整理して記述し、その記述した文書中の最重要点は記憶にとどめるようにするとよいのではないか、とも思っています。

基礎や独創性はどうでもよくて、英語力を駆使してはやく世界で活躍したい」という人もいるでしょう。 学生さんの考え方にもよりますが、 この点では、私も修士までは行きましたし、結果的にその方が良かった。ある程度の「貯め」ができたからです。「貯め」がないと、その後の長い社会生活の途中で息切れしやすい、と思っています。私の研究室の学生の中にもTOEIC満点の人(や、更に国連英検A級まで取得している人)が何人かいましたが、博士号まで取得したケースもあります。「新ウイルスで不景気にならないうちに就職した方がよいのではないか」という人もいるでしょう。これについては、私の企業経験や私の経済変動理論研究等から考えると、”経済世界全体が大きくなっている間は”、不景気や恐慌は起きてもまた、好景気が来る確率が高い、つまり、好景気と不況は繰り返す、と考えています。経済学の教科書でも、「ジュグラー、コンドラチェフ、クズネッツ、半導体周期」等の経済周期のことが書かれています。今後、アメリカよりも広いアフリカという市場が拡大していくと考えられます。そこがそこそこの経済発展するまで、世界経済の規模はまだ拡大すると思うのです。

(注5:この不確定性は、絶対零度の条件で分子運動がない場合でも存在する不確定性であることを付記しておきます。つまり、分子等の粒子のランダムな運動と同値とは言えないものです。モンテカルロ法における不確定性とも違います。)

(6)相談:先生や上司に、研究・仕事の報告をするとき、「うまく行ったことを報告すること」よりも重要なことがある。それは「うまくいかないことを相談すること」です。これが意外とできないことが多い。優秀な人ほど、うまく行ってから報告しようとするケースをよく見ます。「できない人という評価をされたくない」からです。一人でうまくいくのであれば、先生も上司も必要ないし、卒論・修論をやる必要もない。もっとはっきり言えば大学に入って卒業する必要もない(注6)うまくいかないで悩んでいるのに全く相談しない人は、「自分を甘やかしている」状態なのです。これでは、アイデアも成果も出にくくなります。もちろん、毎日、先生に相談するような場合は、もう少し自分で考えないといけませんが。

なので私も、パソコンや携帯の操作方法など、わからないときは、はずかしがらずに、良く知っている学生に聞くようにしています。そのことによって、今の若者の特色や考え方も吸収して、若返りをはかっています。私が若返ることが、結局、学生に更なる還元ができることにもつながるからです。最近は、お米の量(炭水化物)は減らしているので、若返る主な部分は頭の部分ですが。

私が、いくつかの異なる分野の研究を行って、各分野で、新たな技術の種となりうる論文をPublshできるようになった理由の一つも、この「できない人と評価をされることを覚悟で、知らない分野の基本事項を、その分野の実力者に聞いたこと」です。例えば、最近の大型ロケットの熱効率が高い理由やその条件を聞いたことによって、自分のところで提案している新たなエンジン原理のロケットへの適用可能性の度合いを把握できました。(ロケットは超高高度での飛行があるので、そこでは大気温度は非常に低く、そこまで排気ガスを膨張させて仕事を取り出すことができることが、高効率を生む要因の一つである。このことを、短時間に知ることができたのです。なので、離陸直後の熱効率は高くはないだろうし、再生冷却の効果は期待するほどではないかもしれない、とも思いました。ただし、注意すべきことはなんでもかんでも、他人に聞けばよい、というのではないことです。聞いてばかりの人に、他人は教えてくれません。私の場合、私どもの飛躍的な性能のポテンシャルを持つ新エンジンについて学会発表した直後に、航空エンジン・ロケット分野の実力者が私に関心を持ち、その後、何度も一緒に食事をした時に上記の質問をしたのです。Give&Takeということです。)

話しやすい仲間との気楽な雑談や定型業務のアルバイトでの会話は、プラスはあるものの、それだけでは、コミュニケーション能力向上には不足、と考えてきました。私も若い頃から、コミュニケーション能力が高かったわけではありません。困っていることの相談や真摯な議論を繰り返すうちに、徐々に、相手から来た質問にさっと答えられるようになって、コミュニケーション能力があがり、そこから、知恵・アイデアも生まれやすくなっていきました。質問に対して直ぐに答が思い浮かぶということは、自分の脳の中の複数の情報が早くつながることだからです。なお、困っている事を相談する場合は、その前に数分でよいので、何を相手に話すかを整理して、重要点を明確にしてから話すことも大事です。また、科学技術の相談では、短い文書や図一枚でよいので、書いたものを見せて議論することも重要です。

(注6:私がある組織に入る際の面接で、自分がやってきたことをアピールした後、「とことん努力したが、うまくいかなかった事」も少し話たことがあります。その時、聞いていた審査側の人の顔いろが変わり、私に強く関心を示したこともあります。 何故、審査側の人が私に関心を示したのか?これは、皆さんが就職後、問題点・うまくいかない点を隠して、商品化したらどうなるか、過去の事例を思い出せばわかると思います。 ただしこれは、その審査委員・評価者にもよりますし、また、社会にでてから、うまくいかないことばかり言っていたら、マイナス評価になることはいうまでもありません。)

2020年12月初稿、2021年3月改訂、2021年8月21日改訂、2021年8月28日改訂時に紫色部分を追記、ピンク色は2022年8月7日に追記。