Researches

「人と一体化した車は世界最高のサイボーグ」であり、航空宇宙研究の最終目標は生命探査ではないでしょうか。量子熱流体物理学を強力な武器として、エンジン・情報・生命・航空宇宙等の分野を一体化して、新しい科学・技術の芽を生み出していきたいと思います。以下には、まず、具体的研究課題の要点を記し、その後、配属後の研究テーマの決め方や、各研究班ごとの詳細説明をしています。更に就職先・その後の進路との関連性等についても記しています。

■ 究極熱効率エンジン: Fugine (Future ultimate engine)

100年間、実現されてこなかった「ほぼ完全な断熱+低騒音型高圧縮」を可能にする独創的な原理を見出し、自動車・航空宇宙・発電用途に対し、超高効率エンジンの研究開発を進めている。特に従来、「低騒音型高圧縮」が困難でしたがそれも解決できることを示唆するデータも得られつつあります。

上図の様に、燃焼室壁から中心に向かって多数の気体噴流を噴出・衝突させて、中央部を高圧縮するとともに、燃焼した高温ガスを、これらの噴流群が包み込むため、その高温ガスが燃焼室壁まで到達せず、ほぼ完全な断熱が可能になる素質がある。(大幅断熱をもたらす効果は、包み込む以外にも3つあります。)また、中央部だけが高圧縮で、壁付近は従来エンジンレベルの圧力にするため、原理的に振動・騒音レベルはあがらない。

更に、二酸化炭素の排出ゼロの水素を含む様々な燃料で利用でき、燃料を選ばないポテンシャルがあることも重要である。更に、ほぼ完全な断熱が可能になれば、冷却装置が簡素化・削除できることもあって、重量低減・エンジン全体サイズの低減効果もあり、しかも、価格上昇はあまりないと考えられる。また、この原理は、燃料を燃焼室中央部だけにとどめやすく、燃焼室中央部のみで従来エンジンよりもそこそこ温度上昇させられる効果もあり、その結果として燃料がかなり希薄でも着火しやすい特性があり、それによってNOx低減の可能性もある。( この方式では、中央部の高圧縮領域の大きさも可変にしやすく、その意味で用途や狙いに応じて対処しやすいことも特徴である。従来のスパークよりも、ある程度以上大きい中央領域をそこそこ温度上昇させて自己着火させるので、従来のHCCIで知られた低NOx特性も期待できる。また、従来エンジンでは、液体燃料を燃焼室中央部に噴射した際、気化後の温度は、空気・酸素の温度よりも低めになっているため、着火しにくい面もある。なので、中央部の温度を燃焼室壁付近と同等かそれよりも若干、上げて、予混合の場合の温度分布に近くすることが可能になり、その意味でも、中央部での自己着火がしやすくなる。)(注:水素に向いている理由は、中央部で着火しやすく、しかも、壁面付近の温度が低くしやすいので、プレイグニッションもしにくいと考えられるからである。更に、高温の排気系と酸素を導入する吸気系が離れる構造をとるからでもある。)

更に、音速以下の高速噴流群でも、液体燃料の微粒化効果もあり、燃料噴射圧力低減やスス低減ポテンシャル等も有している。なお、ジェットエンジンの吸入速度レベルまでの噴流速度であれば、摩擦抵抗レベルも大きくはなく、しかも、大幅断熱+低騒音型高圧縮でかなりの熱効率向上がなされれば、若干の摩擦ロスの上昇があっても大きな問題にはならないと考えられる。「皮を切らせて、肉を切る」という戦略である。(基本特許取得済)[注:高速(0.2<M<0.85程度)の気体噴流速度にする場合が多いが、その為には、気体噴流を燃焼室に導入する直前に、燃焼室内圧力を少し負圧にしておく。この負圧仕事も若干のマイナス仕事になるが、低騒音型高圧縮比と大幅断熱ではそれを大きく上回るプラスがある。また、皮を切らせて肉を切るやり方は、従来のほとんどのエンジンが別の形でやっている。燃焼前に気体を圧縮しており、その仕事はマイナスなのである。]

また、航空用エンジンでも、燃焼室は、その前後にある吸排気系・圧縮機に比べにてかなり小さく、しかも、多重噴流衝突によって燃焼室内での圧縮レベルがあがれば、吸気側の圧縮機を小さくすることも可能なので、燃焼室入口に多数の吸気噴流管が追加されても、原理的に、 エンジン全体として大きくなることはありません。(噴流群衝突後のパワーは、航空宇宙用であれば、噴流群衝突での圧縮後に更に燃焼で圧力上昇したガスが膨張して、高速の排気気流になるので、その運動エネルギーがそのまま推力になり、地上用途では、ピストン等で仕事を取り出すことができる。)

この原理の研究を進める当初(2006年頃)はまず、独自のシミュレーションモデルで高圧縮であることを確認し、その次に、衝撃波管実験で、多数の噴流衝突による圧縮が安定に繰り返されることを確認した。10本以上を衝突させるにあたり、その中の1本程度をわざと封鎖しても、そこそこ安定に圧縮できることがわかったのである。そこで、次は、燃焼実験に進んだわけだが、直径が10~40mm程度の非常に小さい燃焼室のエンジンで実験を行ってきている。理由は2つある。1つは、小さいほうが万がいつの場合の安全性が高いからである。2つ目は、小さいエンジンで断熱を確認した方が、原理の有効性がより明確にでき、しかも、社会へのインパクトがあるからだ。(従来型の各種エンジンでは、小さい程、断熱しにくいことが知られている。)この圧縮原理に、ある程度の従来型過給条件とピストン圧縮を加えた試作エンジンでは、実用化レベルの燃焼安定度とノッキングしにくい特性を示唆する実験結果が得られ始め、ピストンを持たない航空宇宙用の試作エンジンでは、かなりの断熱効果や推力を示唆する実験データも得られはじめています。(当研究室発表の論文を参照)

騒音レベルを上げずに更なる高圧縮比+大幅断熱すれば、熱効率の大幅上昇(理論的上限は65%程度)だけでなく、出力上昇もされるため、燃焼室側壁付近に燃料なしの冷気体領域をおくための空間は必要でも、エンジンサイズを大きくせずにできるポテンシャルもあります。

なお、燃焼室壁付近に導入する空気断熱層は、大気を吸引する場合は問題ありませんが、ロケットでは、酸素タンクを持っていくので、それを燃焼させず、断熱層形成だけのために使うことはしたくない。この問題についても既に、根本的な解決策を見出しており、2021年9月1日のシミュレーション学会国際講演会(JSST2021)で発表済です。

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ピストンを持たない試作エンジン(航空宇宙用)とその燃焼写真の一例
ダブルピストンを有する試作エンジン(地上用)

なお、化学的反応を用いる場合、理論的には、カルノーサイクルが様々なサイクルの中で最大の熱効率をもつことが知られています。なので、熱効率65%という限界値は、カルノーサイクルの熱効率には及びません。ただし、以下の素粒子のエンジンでは、放射線を出さない程度で、原子核を少し崩すため、化学反応を超えていきますので、更にパワーが取り出せることになります。(以下の素粒子のエンジンを参照。)

■ 統計流体物理学に基づくバーチャルエンジン:Stochastic determinism

従来の地上・航空宇宙用の各種エンジンの吸気系の管内の途中では、乱流に遷移することが起き、その位置が不安定になることもあります。しかも、それが、燃焼状態を不安定にする可能性もあります。この管内の乱流遷移現象と燃焼の不安定現象は、100年に渡って理論的にも数値解析でも解明できない謎でした。そこで、この未解決だった乱流・燃焼現象を予測解析できるようにするための新たな次元の統計熱流体物理学理論を考案し、それに基づくスーパーコンピュータシミュレーションを実現しています。直下の図は、管内の乱流遷移の数値解析例(渦度分布)です。(直管の左から流入し、管の途中で乱流が生成されていることがわかります。)

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「100年以上前にReynoldsが発見したように、管内で乱流遷移現象は明確に起こる」のですが、今までの決定論的Naviesr-Stokes方程式に基づく理論や数値解析では乱流遷移しないという結果しかなかったため、大きな謎だったのです。そこで物理的にこの現象をみると、確率論的Navier-Stokes方程式による解析で分析する方が論理的に妥当なことがわかり、それを数値解析したところ、乱流遷移位置を予測できたのです。(確率論的、というのは、わかりやすい近似でいうと、乱数を用いた項を持つ式の場合で、決定論的というのは、その乱数の項がない場合です。)

例えば、分子間距離の1000倍程度のサイズの窓で空間平均操作して保存則を導出すると、密度等は0.1%程度の不確定性を持ちますが、この程度であれば、それを無視して、連続体と近似してし、決定論的なNavier-Stokes方程式となります。(空間平均は、様々な場所でするので、分子1つ程度が入ったり入らなかったりするからです。)しかし、分子間距離の1000倍のスケールの中に密度や流速の空間変化があり、それが乱流遷移のような現象に影響する場合があると考えると、より小さなスケールで空間平均する必要がでてくる。そうなると、不確定性は大きくなり、確率論的な式にする必要がでてくる。実際、乱流遷移が始まる管入口付近の境界層は非常に薄いので、小さなスケールの乱れがあるはずである。しかも、入口の乱れの強度が強い程、境界層内には変動が生じ、乱流遷移は早まる。なので、独自の境界条件の設定方法を提示しています。(境界における不確定性と、内部における不確定性のレベルを一致させ、それによって、広い条件範囲での現象解明することを可能にしています。)

直下の図は、層流翼(翼の上流側は層流だが、下流側では乱流になっており、層流部分を長くして空気抵抗を減らした翼)の周りの流れ場の数値解析例です。

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実験は、その準備に時間がかかり、しかも、やってみるまで何もえられず、先読みできない。しかし、理論やシミュレーションは良い方法を見つければ、短い時間で先読みができる。私の研究室で提案してきた究極熱効率エンジンや素粒子のエンジンの研究は、理論とシミュレーションによって強烈に加速されてきています。(私の研究室で提案してきた究極熱効率エンジン(Fugine)や素粒子のエンジン(Fusine)では、パルス流にしているために、吸気系内での乱流遷移が起きにくい状態で利用していますが、乱流遷移しないことを確認するためにも重要です。)

例えば、シミュレーションする前は、理論で新たな圧縮をすれば排熱が減って動力が増えることがわかたのですが、3次元シミュレーションをしたところ、3つの大幅断熱方策が見つかったのです。1つ目は、上記で記したように、噴流群が、燃焼後の高温ガスを包み込むことによって、その高温ガスが燃焼室までいかないことです。2つ目が下図です。この図では、気体の噴流群は図の左側から5本見えており、噴流群が衝突した後の流れは、右のピストンに向かうので、ピストン壁での断熱は難しい、と考えがちです。ですが、ピストン表面にも燃焼後の高温ガス(緑色の部分)が接触しないことがわかり、ほぼ完全な断熱ができることがわかったのです。これは何故、起きるのか?5本の噴流の内、上にある噴流からはBに向かう噴流だけでなく、Cの方向にも行ってピストンで反射して高温ガスを押し戻すのです。ピストンが左右に動くので、文字Cの付近から時計の7、8時方向に噴流をだせないからです。これは、シミュレーションをやってみて初めて気が付いたことです。更に3つ目の大幅断熱方式もシミュレーションでみつかりました。(論文を参照)

そこで、次に、衝撃波管にエンジンを入れて、非燃焼実験を行い、可視化写真をみたところ、多数の噴流衝突による圧縮が安定であることがわかり、燃焼実験へと進んだのです。

直下の図は、Fugineの噴流群が燃焼室に入り始めた時刻の流動場の計算例です。まだ、燃焼室中心まで噴流群が到達していませんが、隣り合った噴流同士が、干渉し、オレンジ色の部分で圧縮が始まっていることがわかります。また、各噴流が、その周囲の噴流群でガイドされていることによって、噴流が安定に直進しやすくなり、燃焼室中心で安定な圧縮がしやすくなることも容易に想像されます。

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シミュレーションを行っているうちに、噴流群の衝突が安定にできる理由が他にいくつも見つかりました。一本の噴流では、燃焼室に噴出してからしばらく進むと、乱流状態になってしまうので、そこで多数の噴流を衝突させると、一点での衝突にはならないのですが、私の研究室で提案して設計・試作してきたエンジンでは、噴流が燃焼室に出てから直ぐに他の噴流群と衝突させているので、安定な一点衝突ができているということが、その一つです。また、定常な噴流では乱流になりやすいのですが、パルスでは直進性の高い層流にしやすいこともわかり、パルス噴流群の一点衝突がかなり安定なことがわかってきたのです。(なお、実験でもこの安定な一点衝突ができることは、10年以上前に確認しています。)

なので、私の研究室では、これら3つの道具(理論・数値解析・実験という三種の神器)を大切にしています。実験では、人間の持つ五感をフルに研ぎ澄ませることになり、それが、新たな理論や数値解析方法を生み出してきました。自然現象の観察なしに物理学的理論はないからです。

この方法(確率論的Navier-Stokes方程式による解析)の重要な点は他にもあります。

例えば、生命の血流は摩擦抵抗の少ない層流になっていることが基本ですが、病気等で乱流になると、摩擦抵抗によるエネルギーロスが大きくなり、体への負担が増加する可能性がある。なので、乱流遷移現象を解明することは人体の健康維持や医療にとっても重要です。(以下の生命のエンジンを参照)

更に、原子核や素粒子現象では、不確定性が重要になるので、その点でも意味がにあります。(以下の素粒子のエンジンを参照)

■ 素粒子のエンジン(放射線を出さない凝縮系核反応リアクタ):Fusine(Fusion engine)

まず、各種エンジン内の燃料液粒の分裂合体現象、素粒子や原子核の分裂・合体現象、天体の分裂・合体現象等に対する独自の量子統計熱流体力学理論を提示してきています。素粒子も柔らい粒子だろうと思いつき、それを元に解析すると、原子核分裂や凝縮系核反応で生成される原子核のサイズも予測できることがわかってきたのです

この理論・数値解析・基礎実験と上記の究極熱効率エンジンの圧縮方式を土台とし、放射線を出さない凝縮系核反応によって,更なる高出力(燃焼反応の10~100倍程度),かつ、二酸化炭素排出量ゼロの革新的な新リアクター(22世紀のエンジン)実現も進めている. (基本特許取得済)燃焼は化学反応、つまり、分子間結合の変化に伴うエネルギー放出だが、原子間結合は少し変化させるだけで、化学反応以上のエネルギー放出がありえるからである。なので、わずかに原子核分裂・合体させることを狙っています。これが実用化すれば、環境問題の根本的な解決策ともなる。

なお、このような研究・探究も進めている理由のひとつは、22世紀には、太陽系外への進出も検討されるであろうからです。このような研究を進めながら更に、天体や素粒子を含む粒子間に引力が働く原因についても研究しています。

なお、上図のγ-ε-m方程式中のγは、柔らかな粒子の変形率、εは分裂直前(か、衝突直後)の2つの粒子の等価直径の比、mは粒子の表面力の性質によって変わる係数です。新たな安定概念を提示し、この微分方程式(流体力学の運動量保存則)で、粒子変形の安定性を調べたところ、

・液体燃料の粒子

・ウラン原子崩壊後の原子

・バリオン等の素粒子

・凝縮系核反応で生成される原子

の分裂だけでなく、

・生命の細胞

・DNA、RNAを構成している分子

・生命が利用しているタンパク質

等、様々なスケールの粒子分裂後の大きさの必然性を解明することができました。(シミュレーション学会の最優秀論文賞も受賞。)

この中で例えば、生命のDNA、RNAがプリンとピリミジンという2種類の塩基分子の水素結合ペアを使っている理由が流体力学で説明できました。黄金比や白銀比に近い約2:3のサイズ比(左右非対称性)です。また、部分的には、同じ塩基のペア、つまり、1:1のサイズ比(左右対称性)を使っている理由も解明できました。細胞も同様です。左右非対称な約2:3と対称な1:1という2種類の大きさのペアを両方使っている理由がわかったのです。そしてこの2種類を使っているために、多細胞生物が 複雑な凹凸構造をつくりやすいこともわかってきた。私達が子供の頃の積み木で、大きさの異なるブロックがある方が、様々な凹凸構造を造れたことを思い出せば、このことを理解できると思います。一種類の大きさのブロックよりも、2種類あった方が、いろいろな形がつくれる。しかも更に、このようにしてできた複雑な凹凸が機能を生み出すこともわかってきた。例えば、手の5本の指の凹凸構造は、ものをつかむ、という機能を生み出したのです。tRNAという分子も3本の指に似た構造を持つので、他の分子をつかむことができるのです。

生命の構造がDNAだけで決まっていると考えるのは無理があると考えています。私達は水(の流れ)がなければ生きられないし、70%もの部分が水だからです。

■ 生命のエンジンと経済のエンジン(理論的な新たな解体新書):Onto-biology & Morphogenic economics

素粒子のエンジンの最後で若干ふれたように、生命体内分子(DNA、RNA、アミノ酸、タンパク質など)のサイズ・構造の必然性をも明らかにする ために、統計流体物理学を用いた 新たな理論 (γ-ε-m方程式)を提示してきました。

更に、生命情報・構造・機能の関係性についても新たな説明(Onto-biology:新解体新書)を提示しています。例えば、「人間の臓器の中で、心臓・肝臓はひとつで左右非対称だが、腎臓や眼球が2つで左右対称に存在している理由の解明」も見出した。流体力学によって見出されたことは、外部の大気に接触しやすい 臓器は左右対称になりやすいということである。今まで、非対称性に注目した従来研究は多数ありましたが、どのような条件で非対称になるのか、という謎に答える説明は(私の知る限りでは)提示されて来なかったのです。(詳細は論文を参照)このOnto-biologyは、「生命とは何か、という根源的な問に新たな次元で答えうるものでもある。

これに基づいて、大病予知の理論モデルも提示し、ピンピンコロリを目指している。もちろん、交通事故の影響までは予測できないわけだが、致命的な交通事故に出会う確率は非常に小さいので、その意味で、予測可能な確率は低くはないと考えられるこれ以外の外乱の影響についても検討している。なお、大病になる少し前の時点での健康診断検査などによって、兆候を察知する新たな方策も見出しているが、もしも、この大病の事前予知が実用化するのにまだ、年月がかかるとしても、ヒトのような生命の健康状態の根幹を記述している可能性は高いと考えており、新たな医学を生み出すための土台ともなるうる。多くの生物学的なデータ、熱流体力学的な根拠に基づいて導出されたものだからである。

更に、企業や社会も「生命体」であるという仮説に基づいて、更に、経済恐慌の予知の研究(Morpho-economics)も行っている。

なお、生命とは何か?という根源的な問についての探究を進めている理由は他にもある。地球外の生命体の探査が進んでいるが、遠い天体に行くにはまだ、長い年月がかかるであろう。そこで、理論的にでも、地球外生命が、地球人類と同じDNA、RNAを使っているのか?という問に予測をたてたいという狙いである。

現代の航空宇宙学の分野は、生命医学にまで及び、新たな生命医学の提示を促すのである。

腎臓は左右対称、肝臓は左右非対称になるのは何故?
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多様な粒子の分裂理論(日経サイエンスにも掲載)

経済変動予測

■ 人工天才脳:Artificial genius

創造性のある人工知能の提示も行ってきている。(基本特許取得済)

これも、上記の生命のエンジンを土台とし、それを発展させたものである.上述したように、生命は、分子・細胞・脳内の細胞群のネットワークの中でも、非対称な約2:3付近の黄金比・白銀比等や、折り紙で使われる対称な1:1の比を用いていると考えられます。それは、生命が脳にだけ、体と別の原理を用いているとは考えにくいからです。なので、これらの非対称・対称な比にあふれた画像や音が、視覚や聴覚から脳に入ると、脳ないの左右対称・非対称性な比と共鳴することで心地よく感じると思われる。(絵画や建築では、心地よい比として、黄金比等がよくつかわれることが知られている。)

また、外部からの時空間情報と脳内の時空間構造の、心地よい共鳴が「感動」であり、これが生命の脳の創造性の源泉であると考えられる。なので、この仮説に従う人工天才脳の研究を進めています。(詳細は論文を参照)

これはソフトウェアであり、コンピュータさえ定期的に新しくすれば、寿命がないため、飛躍的な科学技術を生み出し続けることができる。つまり、永遠に進歩し続け、より多く、より高度のアイデアを出し続ける脳を生み出すことを最終ターゲットとしています.

未知のものも含めて様々な生命内の分子は4つに分類すると、生命反応の根幹部分を説明できることに気が付いた。(詳細は2008年、2010年の論文等を参照)

図 HP-R1 生命維持に必須な基本反応ネットワークパターン(情報系分子群が2つ+酵素系分子群が2つの4つに大別しており、それらの分子群同士が、熱運動によって衝突するとき、そこから生成される分子群が円弧の先の矢印で示してある。詳細は2008年、2010年の論文等を参照。)

この黄金比や白銀比等の心地よい比を内部に有する人工知能は、今から15年程前に着想を得て進めてきたものである。ただし、40年以上前から、私は絵を描くことやカメラが好きで、当時から、黄金比や白銀比を意識してきたので、その知識がもとになって、数十年後に具体的な人工知能になった。(HPのProfessorの写真や本の中の絵画を参照。)

なので、非常に不思議な気持ちになった。これだけではないのだが、人生の中で経験してきたこと(趣味や仕事)が、いろいろとつながって、新たな技術を見出してきたことに気が付いたからである。

人生の中で経験することは何でも、こやしになるのかもしれない。

■ 好熱菌等の極限的微生物利用研究:Application of extremophiles

生命起源に近いと言われる単純な微生物の理解とその応用(ススやCO2の吸収等)を進めている。下図は、100℃付近で、燃焼後のススを食べて増殖した単細胞生物の集団です。(青白く発光しているのが単細胞生物です。)

なお、この研究は、生命の起源そのものを探る研究でもあります。

20年程前には、PCR装置を購入し、最も単純で根幹的な生命反応はなにか、も探ってきました。PCR法は、特定のDNAを増殖させることを人工的に行えるので、生命の起源について何かわかるかもしれないと考えたからです。

ただ、この方法でDNAは増殖できるが、酵素は増えないので、その点で本質的に(論理的に)生命とは言えないことがわかりました。生命は、DNAと酵素の両方が常に増殖するもの、と定義できるからです。

しかしこの研究がもとになって、DNAと酵素が共に増殖するための最低必要条件を論理的に導いたところ、DNAと酵素等の反応ネットワークパターンの中にも、対称な部分と非対称な部分が混在することが必須であることが見出されたのです。(このHP researchの人工天才脳の文書の下に記したネットワークパターン図HP-R1であれば、2つの群のDNAと2つの群の酵素が全て増加(Replicate)できることがわかるし、実際の生命はこのパターンを使っている。)ですので、このネットワークパターンが生命起源を説明する基本だと考えました。そして、これを拡張したパターンによって病気の事前予知の理論式(Prognostic medicine, Prognostic medication)を提示することができたのでした。

しかし、そこまで進んだところで、ふとあらたに気が付いたことがあります。図HP-R1のパターンとそれを拡張させたものは、非生命にもあるのではないか、という疑問です。全ての分子が増殖し、しかも、時々、反応が停止するといく現象は生命には限らないのではないか、と疑問に思ったのです。エンジンは、一度着火すると、CO2やH2O等の分子が加速して継続的に生成されるからです。新たなエンジンの研究開発初期段階や、実用化されたエンジンを長期に使用後、燃焼がときどき不安定になることもあるからです。

そこで、非生命反応のひとつであるエンジンの燃焼実験で、失火するデータを分析してみました。その結果、ある程度の確率で、エンジンの失火を予測する可能性もみいだしたのです。なお、その不安定性を事前に予知する(とともに、それを回避するための)新たな理論も提示しています。

更に気が付いたのは、図HP-R1が非生命と生命反応の両者に適用できることは、生命誕生にとって必要だったであろうということです。非生命と生命の基本反応のパターン(理論式)が異なっていたら、非生命から生命は誕生しえなかったと考えられるからです。(研究室が提示した学術論文を参照)


研究班紹介

内藤研究室では,以下の4つの班に分かれてそれぞれの研究を進めています.研究室に配属された学生さん達は、基本的には先生や先輩と相談してから、一つのテーマを進めますが、ヤル気がある人は、2つ以上の班に所属して始める学生もいて、数か月経過後に、中心となるテーマを決めるようにしています。なお、希望者は、卒論終了直後あたりに、修士課程でのテーマについても再度、先生が相談するようになっています。つまり、修士課程あたりからテーマを変更する学生もいれば、テーマを広げる人もいます。なお、どのテーマを選ぶと就職にプラスになるか、ということは大きな問題ではないと思います。それは、多くの研究開発・商品化では、多様な土台を持つ人材を集めてチームを作ることが多いからです。例えば、燃焼をやってきた人、航空系流体力学をやってきた人、数値解析をやってきた人等の他に、人工関節をやってきた人等、で構成される企業内のエンジン研究チームも現存します。なので、内藤研究室を出た人は、卒論・修論のテーマに関連するところに行く人もいますが、一見、全く関連性がわからない就職先に行く人も多々います。自動車・航空宇宙・重工・環境・医療関連だけでなく、素材企業・情報関連会社・外資系コンサルティング会社・外資系生命保険会社・半導体の企業・商社等、多様な就職をしています。博士に進学する場合は特に、どんなテーマをやってきたかが就職後にプラスになることも当然、ありますが、それ以上に大切なことは、「やってきたテーマに対して集中したか、悩んだ課題を自分でどのように解決したか」だと思います。意欲と粘り強さをみることがかなりあるのです。それは、どの就職先でも、新たな事業、新たな製品を生み出し続ける必要があり、それには、限定された既存の学問だけでは、解決策が見出しにくいからです。言い換えると、大切なことは、仕事の仕方を身に着けようと努力してきたか、だと思います。

・航空宇宙・自動車・エアカー用エンジンと核凝縮反応実験・素粒子理論班: コロナウイルス問題で、2020年度、エンジンに関係する実験班は、毎週2日間程度の実験を実施し、残りの平日は、実験準備や備品の設計、シミュレーションによる性能検討、班内の打合せなどをネット・遠隔で実施していました。2021年度は、各自、平均で週に2~3日は研究室に来て実験等を行い、平日の残りは、ネット・遠隔で研究や班内打合せをしています。

・熱流体物理学・数値解析・生命基礎医学・経済学・人工脳班:2020年度は、ネット・遠隔で研究と打合せを行ってきましたが、2021年度は週に2日程度、研究室に来て、実験班や仲間・先輩・先生と雑談・相談しながら研究を進めています。(マスク着用して、換気等もしながら。)

航空宇宙班:Aerospace group

JAXA角田にて

航空宇宙分野での利用を想定した超高効率・高出力エンジンの研究開発・実験を行っています.

Naitoh K. A New Cascade-Less Engine Operated from Subsonic to Hypersonic Conditions. J. of Thermal Science, 19-6, 481-485. 2010

K. Naitoh, Y. Tanaka and T. Tamura, “Fugine cycle theory: predicting high efficiency of the supermultijet-convergence engine working from startup to hypersonic scram mode,” AIAA Paper, 2015-2968, pp. 1-18, 2015.

R. Konagaya, S. Kawaguchi, J. Mikoda, K. Kinoshita, H. Makimoto, Y. Kobayashi, T. Kobayashi, Y. Tada, L. Shi, and K. Naitoh, “Silent Strong Compression, Nearly-Complete Air-Insulation, and High Thrust Repeatedly Obtained by Pulsed Rocket Engine Based on Colliding Supermulti-jets”, AIAA 2019-4312. 2019.

自動車・エアカー班: automobile-aircar group

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地上走行から大気圏での航行をひとつのエンジンで可能にするエアカーを想定した高効率エンジンの開発・実験を行っています。

R. Konagaya, K. Naitoh, T. Kobayashi, Y. Isshiki, H. Ito, H. Makimoto, Y. Kobayashi, Y. Tada, N. Kikuchi, A. Hosoi and Y. Fujii. Two prototype engines with colliding and compression of pulsed supermulti-jets through a focusing process, leading to nearly complete air insulation and relatively silent high compression for automobiles, motorcycles, aircrafts, and rockets. SAE Technical Paper, 2020-01-0837, pp. 1-31, 2020.

Aya Hosoi, Ken Naitoh, et al. Staggered-grid computation of single-point autoignition gasoline engine
with colliding pulsed supermulti-jets. Proceedings of JSST 2018, 2018.

冒頭で、「久遠の理想の探究」と書きましたが、早稲田の校歌の中の「久遠の理想」という言葉の前には「現世を忘れぬ」という前置きがあります。この前置き、の意味はいくつもあると考えています。私も、地球温暖化問題に既に30年程関わってきましたが、前半は企業内でしたので、「消費者のニーズとサイフ」も「現世のひとつ」であり、無視はできません。また、30年後にカーボンニュートラルができることを目指すと言うだけでは不十分です。それまでにあらゆる既存の方法を含めて改善を進め、ライフサイクルアセスメント(LCA)で考えてCO2排出を確実に段階的に減らしていかなければ、30年後はあやうい、とも言われるわけですので。なので「直近の10年」も「現世のこと」であり、それを忘れるわけにもいきません。

熱流体物理学・数値解析・基礎生命医学・経済学・人工脳班: Numerical modelling -Prognostic medicine-Morphogenic economics-Artificial genius-group

問題:マスクの空欄を埋めよ

1990年代には、乱流・燃焼・超音速流の全てを高精度に解析する独自の数値解析方法(BI-SCALESmethods)を提示し、燃焼乱流場におけるLarge eddy simulation (LES), direct numerical simulation (DNS)をなし、多大な評価を得、更に2010年頃には、新たな次元の統計流体物理学(Stochastic determinism)とそれに基づく数値解析理論を提示するとともに、スーパーコンピュータを用いて,エンジンの内部流れの解析や翼まわりなどの乱流遷移現象や反応の数値解析を行っています.Stochastic determinismは、生命理論にも貢献し、人工天才脳,予知医学等も提示しています。

Ken Naitoh and Hiromu Shimiya. Stochastic determinism, Japan J. of Industrial and Applied Mathematics 28. 2011

Ken Naitoh, Korai Ryu, Shunsuke Matsushita Shinichi Tanaka Mitsuaki Kurihara, Mikiya Marui.  Weakly-stochastic Navier-Stokes equation and shock-tube experiments: revealing the Reynolds’ mystery in pipe flows. AIAApaper, 2012.

Remi Konagaya, Ken Naitoh, Hiroki Kijima. Deterministic and stochastic computations of mysterious internal flows: based on a nonlinear local correction method with global conservativity. Journal of Advanced Simulation in Science and Engineering. 2020.

Ken Naitoh, Kunio Kuwahara, Egon Krause, Cycle-resolved computations of compressible vortical flows in automotive engines December 2003 DOI: 10.1016/B978-008044046-0.50256-6 In book: Computational Fluid and Solid Mechanics 2003 (pp.1047-1050)

Ken Naitoh, Kunio Kuwahara, Yasuo Takagi, Cycle-resolved computation of compressible turbulence and premixed flame in an engine July 1993 · Computers & Fluids 22(4-5):623-648 DOI: 10.1016/0045-7930(93)90029-9.

Ken Naitoh and Kunio Kuwahara, Large eddy simulation and direct simulation of compressible turbulence and combusting flows in engines based on the BI-SCALES method. Fluid dynamics research, Vol. 10, 1992.

Ken Naitoh, Yasuo Takagi, Kunio Kuwahara, Egon Krause, Katsuya Ishii, Computation of transition to turbulence in the compression stage of a reciprocating engine . AIAApaper, 1989.

 K. Naitoh, Onto-biology: A Design Diagram of Life, Rather Than Its Birthplace in the Cosmos, Journal of Cosmology, vol. 5, no. 1, pp. 999-1007, 2010.

K. Naitoh, Onto-biology, Journal of Artificial Life and Robotics, vol. 15, pp. 117-127, 2010.

K. Naitoh and H. Inoue, Catastrophic chaos theory: predicting recovery of health or death, Journal of Artificial Life and Robotics, vol. 18, pp. 127-132, 2013.

R. Konagaya, K. Naitoh, K. Suzuki and H. Takashima, Prognostic medication: for predicting premonition and recovery, Journal of Artificial Life and Robotics, vol. 22, no. 4, pp. 449-456, 2017.

R. Konagaya, T. Takizawa and K. Naitoh, A macroscopic theory for predicting catastrophic phenomena in both biological and mechanical chemical reactions, Journal of Artificial Life and Robotics, vol. 25, pp. 178-188, 2020.

先端科学班(凝縮系核反応リアクタ・素粒子理論)particle physics-fusine group

凝縮系核反応、素粒子理論の基礎研究などを行っています.

Kobayashi T., Konagaya R., Naitoh, K., et al. Development of weak Cold-fusion Engine Reactor (Fusine) Assisted by Molecular Chemical Reaction: Based on Focusing–compression of 1000 bar and 7000 K Due to Pulsed Supermulti-Jets Colliding, J. Condensed Matter Nucl. Sci. 34, (2022), p 148 www.iscmns.org/CMNS/JCMNS-Vol34.pdf

Kobayashi, T., Naitoh, K., Shigeura, J., Mori, Y., Seto, R., Hachisuka, J., Temperature and pressure dependence of anomalous heat generation occurring in hydrogen gas absorption by metal powder, ICCF23, 2021.

K. Naitoh, J. Tuschiya, K. Ayukawa, S. Oyanagi, T. Kanase, K. Tsuru and R. Konagaya, “Fundamental Experimental Tests toward Future Cold Fusion Engine Based on Point-compression due to Supermulti-jets Colliding with Pulse (Fusine)”, J. Condensed Matter Nucl. Sci. 24, 236–243, 2017.

T. Kobayashi, K. Naitoh, Y. Wake, Y. Naridomi, A. Takahashi, R. Seto, H. Ido, J. Hachisuka.  Development of Reaction System with Small Chamber for Fundamental Experiments Measuring Anomalous Heat Effect. Proceedings of the 20th Meeting of Japan CF Research Society, ISSN 2187-2260. 2020.

Ken Naitoh, Cyto-fluid Dynamic Theory. Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics, 18(1), 75-105. 2001

Ken Naitoh: Spatiotemporal structure: common to subatomic systems, biological processes, and economic cycles. J. of  Physics. Conf. Ser. 344:1-18. 2012

Ken Naitoh; Gourdron theory: Revealing synthetically the masses for biological molecular particles of DNA and proteins and abiological particles of quarks and leptons, Artificial Life and Robotics. 18(3-4), 133-143. 2013

Ken Naitoh: Instantaneous and scale-versatile gourdron theory: pair momentum equation, quasi-stability concept, and statistical indeterminacy revealing masses of elementary, bio-molecular, and cosmic particles. Journal of Physics, Conf. Ser. 495. 2014.

Tomotaka Kobayashi, Ken Naitoh: New quasi-stable ratios of particles in nature revealed by multi-dimensional Taylor approximation. Journal of Advanced Simulation in Science and Engineering. Vol. 6 Issue 1. 2019

K. Naitoh, Stochastic determinism underlying life – systematic theory for assisting the synthesis of artificial cells and new medicines, Journal of Artificial Life and Robotics, vol. 13, no. 1, pp. 1-8, 2008.

Naitoh K. Engine for cerebral development. J. of Artificial Life Robotics. Vol. 13, pp.18-21.  2008. Engine for cerebral development | SpringerLink

Aya Hosoi, Tsubasa Takizawa, Ken Naitoh. Prognostic medication: prediction by a macroscopic equation model for actual medical histories of illness with various recovery speeds. vol. 25, pp. 189 – 198. 2020.

Tomotaka Kobayashi, Junsuke Shigemura, Ken Naitoh et al., Temperature and pressure dependence of anomalous heat generation
occurring in hydrogen gas absorption by metal powder. Abstracts of ICCF23, 2021

2020年12月初稿、2021年8月28日改訂時に紫色で追記。2021年10月27日に、エンジン失火予知・大病の事前予知」の事項を追記。2021年11月14日にオレンジ色で追記。2022年8月4日と9月25日と11月26日に、緑部分を追記。


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