私どもの研究室で提案して進めてきた「多数の気体噴流群を燃焼室中央で衝突圧縮させる新原理」に基づく超高効率エンジン(Fugine: Future ultimate focusing engine)は大別すると2種類ある。一つはピストンを併用した自動車・発電用で、もう一つはピストンレスの航空宇宙・ガスタービン発電用である。炭化水素燃料だけでなく、水素等の低炭素燃料にも適していて、燃料を選ばない。
大幅な断熱+低騒音型高圧縮比を可能とするもので、この2つの試作エンジンで、燃焼安定性が実用レベルに到達し、しかも、熱効率が55%を超えることを示唆する実験結果が得られ始めたことを発表した。実用化・事業化段階に進みつつある。
ピストン有の地上用:
https://www.sae.org/publications/technical-papers/content/2023-01-0401/
ピストン無しの航空宇宙・発電用:
https://saemobilus.sae.org/content/2023-01-0984
5月24日、日本(自動車技術会春季大会:パシフィコ横浜、AM9時からのセッション)において、上記2つのSAEpaperの要点をまとめて説明するとともに、更に重要な内容をお話した。(以下、題名と要点)
パルス噴流群衝突圧縮原理に基づく大幅断熱・低騒音型超高圧縮比エンジンリアクタ(Fugine)の見通しと短中長期計画案
Three-stage scenarios based on relatively-silent pulsed focusing engines with nearly-complete insulation effect (Fugine) and Engine-verseology
昨今、世界で多様化している自動車用動力機構(HEV、PHEV、BEV、FCV、水素エンジン、efuel等)の状況を俯瞰し、評価したうえで、今後のパワーソースに関する私の先読みをお話した。我々が過去に経験した類似の歴史的事実や、新たな独自理論に基づいたものである。その上で、FugineとFusine (Fusion engine)を中心にした短中長期計画を述べた。自動車・発電・航空宇宙の全体についてである。