つぶやき・ささやき

■青春百年の道標(2025年6月15日)

昨年、ある学生から「先生は、どのように目標を立てて進んで来たのか」という質問があった。三行詩を記す。

.

我が成長の為に、真に時間に耐えうるものを求め

愛すべき僕らみんなの未来の為に、叡智を尽くし

孤高の魂を謳歌して、来世の為に現世を生き抜く

.

一行目は、20歳の頃、自らに課して誓った旗印で、そこから40歳あたりまで突き進んできた。

二行目は、確立し始めた一行目の科学技術とその実用化を土台として、30歳あたりから現在まで常に頭の片隅において進めてきたことである。歳をとるにつれ、この意識は高まって、次代を切り開く若者を育てることにもウェイトがかかってきている。

三行目は今後の道標(旗印)で、還暦後の前向きな姿勢が来世にも活きる、という考え方である。エンジンはサイクリックな圧縮・膨張運動を繰り返し、宇宙も膨張・圧縮を繰り返すようだ。液体に近い状態から膨張して気体として天空に舞い上がり、再び、凝縮圧縮して液体となって地上に戻る生命にも「輪廻(繰り返し)」はあるだろう。なので、「来世」につながる「還暦後の第二の人生」の構え方は一考すべきである。その構えを若者達は見ており、彼らに勇気を与えるからでもある。。

.

我成長為 久遠探究    

  (わが成長の為に 久遠の理想探求の道を選び)

皆未来為 叡智泉尽   

  (皆の未来の為に 湧き出す叡智を尽くし)

現世孤高 魂謳歌進   

  (現世、孤高の魂を謳歌しつつ幅・厚みを増す努力し)

是来世為 活力満溢   

  (是、来世の為の活力として、満ち溢れる)

.

還暦を超えたあたりから、思いを漢詩にすることの重要性に気が付いた。自分に言い聞かせるようにして漢詩を詠むと、思いが心と体全体に染み渡るのだ。

高校生の時、漢文は一番苦手な科目だったのだが、先生が漢詩を読み上げるのを聞いた時、その響きに共鳴した自分がいたことを思い出す。漢詩には、てにをは、がなく、短い言葉の中に思いが凝縮されているからだ。

続く